もし、高い買い物や旅行をすることになったら、あなたはクレジットカードのリボ払いを使いますか?
それとも、カードローンでキャッシングをしますか?
日本での保有率が84.2%もあるクレジットカードは、「みんな使っているから」という理由で、とくに罪悪感なく高い買い物もできてしまいますよね。
一方で、“カードローン”と聞くと、「借金なんて怖い!」と感じる人が多いのではないでしょうか。
ですが、実際はどちらの方法でもお金を借りていることに違いはなく、利用しているのがクレジットカード会社かカードローン会社かの違いしかありません。
また、どちらにしても支払いを後回しにしてもらっているので、手数料(利息)を支払わなくてはいけません。
そのため、“クレジットカードは安心で、カードローンは危険”という先入観に囚われずに、本当にオトクな方を選ぶのがオススメなんです。
というわけで、今回はクレジットカードのリボ払いとカードローンの利息について比較し、よりオトクなのはどちらなのかを紹介します。
クレジットのリボ払いとカードローンのしくみを知っておこう
まずは、とてもわかりにくいクレジットカードのリボ払いとカードローンのしくみについて、カンタンにお話ししますね。
クレジットカードのリボ払いは、毎月の支払い額が一定
クレジットカードの「リボ払い」は、「翌月一括払い」や「分割払い」などのような支払い方法の中のひとつで、“毎月の支払額が一定”という便利なサービスです。
ただ、支払額が一定とはいっても、実際に支払う金額は以下のようになっているので、わずかに変動します。
実際に支払う金額=毎月固定の支払額+(未払い金×利息率)
この「未払い金×利息率」とは「手数料」のことで、毎月の固定支払額にプラスされているんです。
もちろん、支払いを続ければ未払い金は少なくなっていくので、手数料や実際に支払う金額も減っていきます。
たとえば、5万円の買い物をしてリボ払いする場合、実際に支払う金額は以下のようになります。

また、このリボ払いには、大きく分けると以下のようなふたつの方式があります。
1.残高スライド方式
残高スライド方式とは、残高(未払い金)によってランク分けされ、ランクごとに決まった金額の支払いをする方式です。
具体的には、残高が10万円未満なら月額1万円、10~20万円なら2万円、20~30万円なら3万円・・・といった金額を支払います。
ランク | ランク1 | ランク2 | ランク3 |
---|---|---|---|
残高 | 10万円未満 | 10~20万円 | 20~30万円 |
毎月の支払額 | 1万円 | 2万円 | 3万円 |
たとえば、13万円の買い物をして残高スライド方式でリボ払いすると、支払いは以下のようになるんです。
(年利15.00%としてJCBのシミュレーションサービスを利用
http://www.jcb.co.jp/service/payment/pop/shopping-revolving-simulation.html)
支払い月 | 支払い元金(円) | 手数料(円) | 支払い合計金額(円) <1+2> |
残高(円) |
---|---|---|---|---|
1月 | 13万円の買い物をする | 130,000 | ||
2月 | 20,000 | 1,389 | 21,389 | 110,000 |
3月 | 20,000 | 1,265 | 21,265 | 90,000 |
4月 | 10,000 | 1,146 | 11,146 | 80,000 |
5月 | 10,000 | 986 | 10,986 | 70,000 |
6月 | 10,000 | 891 | 10,891 | 60,000 |
7月 | 10,000 | 739 | 10,739 | 50,000 |
8月 | 10,000 | 636 | 10,636 | 40,000 |
9月 | 10,000 | 509 | 10,509 | 20,000 |
10月 | 10,000 | 369 | 10,369 | 20,000 |
11月 | 10,000 | 254 | 10,254 | 10,000 |
12月 | 10,000 | 123 | 10,123 | 0 |
残高が少なければ支払いはラクですが、残高が多いときは支払い額も増えて大変です。
2.定額方式
定額方式とは、残高に関係なく毎月同じ金額を支払う方式です。
そのため、残高が3万円でも15万円でも、支払額は毎月5,000円でいいんです。

たとえば、先ほどと同じように13万円の買い物をして残高スライド方式でリボ払いすると、支払いは以下のようになります。
(年利15.00%としてJCBのシミュレーションサービスを利用
http://www.jcb.co.jp/service/payment/pop/shopping-revolving-simulation.html)
支払い月 | 支払い元金(円) | 手数料(円) | 支払い合計金額(円) <1+2> |
残高(円) |
---|---|---|---|---|
1月 | 13万円の買い物をする | 130,000 | ||
2月 | 10,000 | 1,389 | 11,389 | 120,000 |
3月 | 10,000 | 1,380 | 11,380 | 110,000 |
4月 | 10,000 | 1,401 | 11,401 | 100,000 |
5月 | 10,000 | 1,232 | 11,232 | 90,000 |
6月 | 10,000 | 1,146 | 11,146 | 80,000 |
7月 | 10,000 | 986 | 10,986 | 70,000 |
8月 | 10,000 | 891 | 10,891 | 60,000 |
9月 | 10,000 | 764 | 10,764 | 50,000 |
10月 | 10,000 | 616 | 10,616 | 40,000 |
11月 | 10,000 | 509 | 10,509 | 30,000 |
12月 | 10,000 | 369 | 10,369 | 20,000 |
翌年1月 | 10,000 | 254 | 10,254 | 10,000 |
翌年2月 | 10,000 | 127 | 10,127 | 0 |
残高が多くても支払額が少なくて済むので支払いはラクですが、支払い完了までに時間がかかるため手数料が高くなります。
このように、クレジットリボ払いは基本的に支払い額がほぼ一定なので、支払いの予定が立てやすいというメリットがあります。
ですが、毎月固定の金額を支払うだけで欲しいものが次々と買えてしまうので、残高が増えていることを忘れてしまいやすいというデメリットもあるんです。
そのため、「気が付いたら、100万円の支払いが溜まっていた!」ということにもなりかねないんです。
では、カードローンはどのようなしくみなのでしょうか?
カードローンもじつはリボ払いで返済できる
カードローンとは、住宅ローンやマイカーローンなどのローンのひとつで、消費者金融だけではなく銀行からも出ている一般的な金融サービスです。
契約のときに経済状況などから決定された限度額の範囲内であれば、自由にお金を借りることができます。
ただし、クレジットのリボ払いと同じように、利息を支払う必要があります。
そんなカードローンでは、お金を返す方法がたくさん用意されています。
たとえば、当月中に全額や、お金に余裕がある時にまとめて、または毎月少額ずつなど、都合にあわせて比較的自由に返済できるんです。
こうした返済方法の中には、じつは先ほどのクレジットカードで紹介した“リボ払い”も含まれています。
リボ払いは、毎月一定額のお金を支払えばいい手軽なサービスでしたよね。
つまり、カードローンを使う場合、お金が足らない月はリボ払いで4,000円などの最低金額を支払うだけでいいんです。
このように、カードローンの返済方法は自由なので、お金が足らないときは少額の返済を続け、お金に余裕ができたら全額返済して利息を減らすことができます。
また、カードローン会社の中には、利息0円サービスなどを実施しているところもあるので、こうした会社を利用すれば利息はさらに抑えられるんです。
ここまでお話ししてきたように、クレジットのリボ払いとカードローンでは、どちらを利用しても必ず利息が必要です。
というわけで、続いてはそれぞれの利息を比較してみましょう。
クレジットのリボ払いとカードローンの利息を比較してみよう
有名なクレジットカードのリボ払いと、当サイトでオススメしているカードローン会社(http://lapl.jp/syouhisyakinyuu-ginkoucardloan-itiran/)の利息は以下のとおりです。
サービス名 | 年利 | |
---|---|---|
クレジットカード | MUFGカード | 15.0% |
三井住友カード | 15.0% | |
楽天カード | 15.0% | |
ニコスカード | 15.0% | |
DCカード | 15.0% | |
オリコカード(一般) | 15.0% | |
消費者金融カードローン | アコム | 3.0~18.0% |
プロミス | 4.5~17.8% | |
アイフル | 3.0~18.0% | |
SMBCモビット | 3.0~18.0% | |
銀行カードローン | みずほ銀行カードローン | 年2.0~14.0% |
住信SBIネット銀行カードローン (スタンダードコース) |
8.99~14.79% | |
じぶん銀行カードローン | 2.2~17.5% | |
横浜銀行カードローン | 1.9~14.6% |
*1 みずほ銀行:住宅ローンのご利用で、本カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。
この表からわかるように、クレジットカードのリボ払いはどこも15%と横並びですが、カードローンは約2~18%と幅広く年利が設定されています。
そのため、カードローンを利用した場合、クレジットのリボ払いよりも安い利息で済む可能性があるんです。
また、銀行カードローンを選べば年利の上限が15%以下となるところが多いので、利息を抑えたい人にはとてもオススメです。
さらに、クレジットカードのリボ払いとカードローンの違いは、利息だけではないんです。
じつは、クレジットカードとカードローンでは、「限度額」にも差があります。
クレジットのショッピング枠とカードローンの借入額の限度額には違いがある
クレジットカードのリボ払いやカードローンは、お金が絡むものなので、消費者の被害を防ぐための法律で厳しく管理されています。
ただ、以下のように別々の法律で管理されているんです。
- クレジットカードのリボ払い:割賦販売法(かっぷはんばいほう)
- 消費者金融カードローン:賃金業法(かしきんぎょうほう)
- 銀行カードローン:銀行法(ぎんこうほう)
そのため、それぞれの限度額は以下のように異なります。
クレジットリボ払いの限度額は「支払可能見込額」で決まる
クレジットカードのリボ払いの限度額は、「ショッピングご利用可能枠」などと言われることもありますが、以下のように計算されています。
クレジットカードのリボ払いの限度額≦支払可能見込額×0.9
また、この「支払可能見込額」というのは、以下のような式で求められます。
支払可能見込額=年収-年間請求予定額-法律で定められた生活維持費
この「年間請求予定額」はクレジットカード会社が持っている情報から、「法律で定められた生活維持費」は以下の表から求められます。
居住形態 | 収入・生計を同一とする人数(本人・別居者も含む) | |||
---|---|---|---|---|
1人 | 2人 | 3人 | 4人 | |
持家あり・住宅ローンなし または持家なし・賃貸負担なし |
90万円 | 136万円 | 169万円 | 200万円 |
持家あり・住宅ローンあり または持家なし・賃貸負担あり |
116万円 | 177万円 | 209万円 | 240万円 |
たとえば、年収300万円・住宅ローンあり・世帯人数2人・年間請求予定額50万円の場合、支払可能見込額は73万円、クレジットリボ払いの限度額は65万円です。
(計算式)
支払可能見込額=年収300万円-年間請求予定額50万円-生活維持費177万円=73万円
クレジットカードのリボ払いの限度額≦支払可能見込額73万円×0.9=65.7万円
消費者金融カードローンの借入限度額は「年収」で決まる
消費者金融カードローンの借入限度額は、借りすぎや貸しすぎを防ぐための「総量規制」というルールによって“年収の3分の1まで”と決められています。
そのため、たとえば年収300万円の場合、消費者金融カードローンの借入限度額は100万円です。
ただし、それぞれの消費者金融会社によって、最高限度額は決められていて、たとえばアコムは800万円、プロミスは500万円までです。
銀行カードローンの借入限度額は銀行による
銀行カードローンでは、クレジットカードのリボ払いや消費者金融カードローンのような特定の限度額が定められていません。
そのため、最近では審査が厳しくなっていますが、年収が0の専業主婦であっても借入ができる銀行もあります。
(http://lapl.jp/sengyousyufu-syouhisyakinyuu/)
もちろん、銀行カードローンにも最高限度額があり、例えばみずほ銀行は800万円です。
ここまで限度額についてお話ししたように、クレジットカードとカードローンでは限度額にも大きな違いがあります。
リボ払いの限度額が少ないと感じている人は、カードローンを利用することで限度額を上げることも可能なんです。
まとめ
今回は、クレジットカードのリボ払いとカードローンについて利息などを比較してきました。
どちらにもリボ払いや利息はありますが、利息が低くなるのは銀行カードローンです。
また、クレジットカードのリボ払いは“お金を借りている”という意識が低くなってしまい、ダラダラと買い物を続けてしまう危険性があるので注意しなくてはいけません。