損害保険の種類と選び方!そもそも損害保険って必要?

あなたは、生命保険以外に損害保険にも入ったほうがいいのか、悩んでいませんか?
損害保険には、火災保険・地震保険・自動車保険・傷害保険・賠償責任保険の5つがあり、どれも日常生活に潜んでいるリスクをカバーしてくれる大切な存在です。
ただ、保険というと生命保険のほうが注目されやすく、損害保険の必要性についてキチンと考えたことがある人は少ないのではないでしょうか?
そこで、ここでは損害保険の種類と選び方について、わかりやすく説明します。

損害保険とは?なぜ必要なの?

損害保険とは、偶然の事故による損害に対して、保険会社が保険金を支払ってくれるものです。
じつは、保険は以下のように大きく3つに分けることができます。

保険の分類 特徴 具体例
第一分野:生命保険 人の生死に関する保険。一定の金額が給付される。(定額給付) 終身保険・定期保険・養老保険など
第二分野:損害保険 偶然のリスクに関する保険。損害分の金額が補てんされる。(実損てん補) 火災保険・地震保険・自動車保険など
第三分野:その他 生命保険にも損害保険にも属さない、人のケガや病気にそなえる保険 医療保険・がん保険・介護保険など

上記の表からわかるように、今回のお話で扱う「損害保険」は第二分野の保険で、交通事故や火災など“日常的に起こりうるリスク”に備えるためのものです。
そんな損害保険は、おもに以下の4つに分けられ、それぞれに対応する保険商品が存在します。

損害保険の分類 特徴 具体例
モノ保険 家や車などのモノの損害を補償する保険 火災保険、地震保険、自動車保険など
ヒト保険 人のケガなどの損害を補償する保険 傷害保険など
賠償責任保険 第三者に損害を与えたときの賠償責任を補償する保険 賠償責任保険など
その他の保険 上記以外の損害保険 所得保障保険など

それぞれについては、次の章で説明していきますね。

損害保険は5種類!選び方のポイントとは?

代表的な損害保険は、以下の5種類です。

  1. 火災保険
  2. 地震保険
  3. 自動車保険
  4. 傷害保険
  5. 賠償責任保険

それぞれについて、くわしく説明しましょう。

【損害保険の種類と選び方】
1.火災保険

火災保険とは、建物や家財の損害に備える保険です。
その中でも、火災だけでなく「落雷・爆発・風災・ひょう災・雪災」をカバーするのが『住宅火災保険』で、さらに「水災・水漏れ」まで対応するのが『住宅総合保険』です。

火災保険をかける時に気をつけなければいけないのが、“建物の補償額”の決め方です。
この補償額は、「今と同等の建物を新築するのに必要な金額」にするのが理想的なんです。
なぜなら、補償額が新築代に足らないと、もし火災で家が燃えてしまった場合、必要な修理費が全額支払われなかったり、同等の家をもう一度建てることができなかったりするからです。

このような理想的な補償額は、現時点で新築なら“購入価格”でいいのですが、住んでからしばらく経つ場合や中古物件の場合は、以下の計算式に当てはめて算出します。

理想的な補償額(今と同等の家を新築するのに必要な金額 )
= 今の家が新築だったときの値段 × 保険会社が決めた割合

(専門的に表すと…)新価(再調達価額)= 建築価額 × 価格変動率(建築費倍率)

保険会社ごとに式中の割合は異なるので、保険会社によって保険料が異なります。
たとえば、新築当時3,000万円の建物で、保険会社が設定した割合が0.9の場合、補償額は3,000万円×0.9=2,700万円となります。

そして、もうひとつ注意が必要なのは、建物の保険の場合、家財が保障されないことです。
家財保険は火災保険の特約になっていたり、賃貸の場合は家財保険だけ別で契約する必要があります。

家財保険の保障価額は、家財をすべて買い換えるのに必要な金額を算出する必要があり、これを「積算評価」といいます。
しかし、テレビやパソコンからボールペン1本に至るまですべての家財について、価値を算出するのはムズカシイですよね。
そのため、家の広さや世帯人数、年齢などから目安で金額を算出する「簡易評価」を用いることができるんです。
この簡易評価については、保険会社によって若干の違いはありますが、以下のように決められています。

家財保険の保障価額の目安(簡易評価)
世帯構成

 

世帯主
年齢

大人2人 大人2人
子供1人
大人2人
子供2人
単身
25歳前後・以下 510万円 590万円 670万円 300万円
30歳前後 690万円 770万円 850万円
40歳前後 1,170万円 1,250万円 1,330万円
50歳前後・以上 1,420万円 1,500万円 1,580万円

【損害保険の種類と選び方】
2.地震保険

火災保険では「地震や噴火、津波など」は保障の対象外なので、地震などの損害にそなえるには、火災保険とセットで地震保険に加入する必要があります。
なお、地震保険だけに加入することはできないので、かならず火災保険とセットで契約しましょう。

この地震保険は、国と損保会社が共同で運営しているので、保険会社によって保険料に違いはなく、全社で統一価格なんです。
この地震保険料は「地震保険基準料率」によって、以下のように建物の所在地と構造から決められています。

保険期間1年、保険金額1,000万円あたりの地震保険料(2017年11月時点)
建物の所在地 建物の構造
耐火・準耐火・省令準耐火 その他
茨城県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・静岡県・徳島県・高知県 13,500
~22,500円
27,900
~36,300円
宮城県・福島県・山真名試験・愛知県・三重県・大阪府・和歌山県・香川県・鋭匙目検・大分県・宮崎県・沖縄県 7,400
~17,100円
14,900
~28,900円
上記以外の都道府県 6,800
~8,100円
11,400
~15,300円

また、損害発生時の保険金は、損害の程度に応じて、下記のように支払われます。

全損 地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
大半損 地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
小半損 地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
一部損 地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

なお、地震保険の場合も、火災保険と同じく家財は保障されません。

また、地震保険の保険料については、年末調整や確定申告のときに、所得税と住民税の控除を受けられます。
具体的には、年間支払額5万円超で所得税が最高5万円、住民税が最高2万5千円の控除です。

【損害保険の種類と選び方】
3.自動車保険

自動車保険には、「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。

「自賠責保険」とは、車の購入時に加入することが義務づけられているものです。
正式名称は「自動車損害賠償責任保険」といい、「強制保険」とも呼ばれます。

これは、被害者を保護するための最低限の救済なので、死亡1名につき3,000万円など、保障は限定的となっていて、物損は対象外となります。

一方「任意保険」は、損保会社がテレビCMなどで宣伝している、一般的な自動車保険のことです。
この任意保険は、自賠責保険の上乗せになり、自賠責保険の対象外のところまでカバーします。
事故を起こした時、相手方への賠償は多額となることがほとんどですので、大切な備えとなりますね。

任意の自動車保険は以下の7つを組み合わせて加入します。

種類 対象
対人賠償保険 相手方のヒト
対物賠償保険 相手方のモノ
人身障害保障保険 自分や搭乗者
搭乗者傷害保険 自分や搭乗者
無保険者傷害保険 自分や搭乗者
自損事故保険 自分や搭乗者
車両保険

任意の自動車保険は、年齢や業務使用の有無などで保険料が異なります。
また、一般的に初めての契約時は6等級からスタートですが、親が契約者となり等級を譲ると、保険料を安くすることも可能です。

また、保険会社によって保険料はまったく異なり、各社に以下のようなさまざまな割引が用意されているので、よく比較検討されることをオススメします。

  • 等級や年齢条件の割引
  • インターネット契約割引
  • 満期更改の1ヶ月以上前の契約による早割

【損害保険の種類と選び方】
4.傷害保険

日常生活を送るうえで、不慮の事故で起こるケガを保障するのが傷害保険です。
傷害保険におけるケガの定義とは、以下の3つです。

  • 急激性
  • 偶然性
  • 外来性

わかりやすく言うと、「突発的」で「予測不可能」な「外からの作用」によるケガという意味です。
代表的な傷害保険には、次のようなものがあります。

名称 特徴
普通傷害保険 最もスタンダードな傷害保険。国内・国外問わず24時間365日対象となる。
家族傷害保険 普通傷害保険に家族(配偶者・生計を一にする同居の親族・別居の未婚の子)を加えたもの。
スポーツ傷害保険 スポーツに特化した傷害保険。
交通事故傷害保険 交通事故によるケガを保障する傷害保険。乗り物に乗っている時だけでなく、例えば駅の改札口から入場すると、保障の対象になる。
海外旅行傷害保険 海外旅行中1日単位でかけることができる
国内旅行傷害保険 国内旅行中1日単位でかけることができる

表中の「普通傷害保険」や「家族傷害保険」をかけるときには、あなたの仕事が傷害リスクが高い職種かどうかを気にする必要があります。
というのも、傷害リスクが高い職業ほど、保険料が高くなるからです。
傷害リスクの高低については、以下の表にまとめていますので、一度チェックしてみてくださいね。

職業級別A(傷害リスクの低い職業) 職業級別B(傷害リスクの高い職業)
職業級別B以外の職業・職務
(事務従事者・販売従事者・保健医療従事者など)
農林業作業者
漁業作業者
採鉱・採石作業者
自動車運転者(助手を含む)
木・竹・草・つる製品製造作業者
建設作業者

※平成26年時点では、職業級別間での保険料に違いは約1.35倍です。

【損害保険の種類と選び方】
5.賠償責任保険

日常生活で第三者やその持ち物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負ってしまったとき、その賠償責任について補償を受けられるのが「賠償責任保険」です。
たとえば、以下のケースは、日常生活の中でいつ起こってもおかしくないものばかりですが、多額の損害賠償を請求される可能性があります。

  • 窓から誤って物を落としてしまい、下にいた人にケガをさせてしまった
  • 洗濯機のホースが外れ、マンションの下の部屋に水漏れしてしまった
  • 犬を散歩中、人に噛み付いてケガをさせてしまった
  • 子供がボール遊びをしていて、よその家の窓ガラスを割ってしまった
  • デパートで買い物中に店内の商品を壊してしまった
  • 駐車場で他人の車にキズをつけてしまった
  • 自転車で通行中、歩行者と接触をしてケガをさせてしまった

上記のようなケースにおいて補償を受けられる賠償責任保険は、自動車保険や火災保険など他の保険に特約でつけるのが一般的です。
また、最近はクレジットカードに付帯していることもありますので、重複に気をつける必要があります。

さらに、損害賠償責任が生じるようなケースでは、第三者との交渉が必要となることが多く、賠償金額は年々高額になっています。
そのため、「示談交渉サービス付き」や「無制限保障タイプ」を選ぶのがオススメですよ。

ちなみに、賠償責任保険の保険料は毎月100〜200円程度なので、オプションで忘れずにつけておくといいでしょう。


今回は損害保険のうち、火災保険・地震保険・自動車保険・傷害保険・賠償責任保険のそれぞれについてくわしく説明しましたが、必要性を感じましたか?
もし、「損害保険にも入っておいた方がいいかも」と感じたなら、プロのファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるのもオススメですよ。

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ABOUTこの記事をかいた人

柴山 有美子

【資格】
・三級ファイナンシャル・プランニング技能士
・日本商工会議所簿記検定 3級
ほか多数

【略歴】
安田生命保険相互会社にて6年間、保険代理店にて1年間勤務し、生命保険・損害保険の販売営業、契約者のアフターフォロー、新入職員の育成、営業事務に携わる。
さらに、ホテルフロントや服飾販売、レストランカフェ開業など幅広く経験を積みながら経営の知識を習得し、三級ファイナンシャル・プランニング技能士や日本商工会議所簿記検定3級を取得。
2016年より本格的にライターとして活躍中。