AIでホームページは作れる。だからこそ、作る側の責任が問われると思う
コラム | 2026.05.19
最近、少しモヤモヤしていることがあります。
「ホームページなんて、もう必要ない」
「SNSがあれば十分」
「AIやクラウドツールを使えば、簡単にホームページは作れる」
こういった言葉を見かけることが増えました。
もちろん、SNSは大事です。
AIも便利です。
WixやStudioのようなクラウド型の制作ツールも、使い方次第ではとても良い選択肢だと思っています。
実際、僕自身もAIはかなり使っています。
文章の整理、アイデア出し、構成の壁打ち、コードの相談、デザインの方向性確認など、日々かなり助けてもらっています。
だから、AIを否定したいわけではありません。
むしろ、AIはこれからの制作現場にとって、かなり心強い相棒になると思っています。
ただ、その一方で、
「AIで簡単に作れます」
「安く早く、それっぽく作れます」
という部分だけが前に出すぎているように感じることがあります。
問題は、AIやツールではなく“作る側の考え方”
AIで作ることが悪いわけではありません。
WixやStudioを使うことが悪いわけでもありません。
SNSを活用することも、もちろん大切です。
問題は、そこではなくて。
- そのホームページを、誰のために、何のために作るのか。
- 公開したあと、どう活かしていくのか。
- クライアントがあとで困らない形になっているのか。
そこまで考えられているかどうかだと思っています。
ホームページは、見た目が整っていれば終わりではありません。
- 検索で見つけてもらえるか。
- SNSから来た人が、必要な情報にたどり着けるか。
- サービスの魅力がちゃんと伝わるか。
- 問い合わせや購入につながる導線があるか。
- 更新しやすい作りになっているか。
- あとから修正や改善がしやすいか。
そういう部分まで含めて、ホームページだと思っています。
「見た目が良くて安い」は、クライアントにとって魅力的に見える
クライアント側は、ホームページの裏側まではなかなか分かりません。
- HTMLの構造。
- SEOの内部設計。
- 表示速度。
- 更新性。
- 保守性。
- AI検索に拾われやすい情報設計。
そういった部分は、完成した画面を見ただけでは分かりにくいものです。
だからこそ、
「見た目が良くて、安く作れます」
と言われれば、そちらを選びたくなる気持ちも分かります。
でも、公開してしばらく経ってから、
「検索に出てこない」
「問い合わせにつながらない」
「更新しにくい」
「修正したいけど、どうすればいいか分からない」
「作った人と連絡が取れない」
という相談が来ることもあります。
そのたびに思うのは、
作る側がもう少し先のことまで考えていれば、クライアントは困らなかったのではないか、ということです。
昔の“画像を貼っただけのホームページ”に似ている気がする
少し前にも、似たような流れがありました。
- 見た目をきれいにするために、文字情報まで画像で貼り付けてしまうホームページ。
- デザインとしては整って見えるけれど、検索には弱い。
- テキスト情報が少ない。
- 更新もしにくい。
- スマホで見づらい。
- あとから修正するのも大変。
当時も、クライアント側から見れば「きれいなホームページ」に見えたと思います。
でも実際には、運用していく中で困ることが多かった。
今はそれが、
「AIでそれっぽく作ったホームページ」
に置き換わりつつあるようにも感じます。
もちろん、AIをうまく使えば、制作の質もスピードも上げられます。
ただし、それは使う側に判断力がある場合の話です。
- AIが出したものをそのまま使うのか。
- 目的に合わせて直すのか。
- 構造を整えるのか。
- 言葉を磨くのか。
- 導線を設計するのか。
- 公開後の運用まで考えるのか。
そこに、作る側の姿勢が出ると思っています。
ホームページが不要なケースもある。でも、必要なケースもある
「SNSがあれば十分」という考え方も、すべて間違いではありません。
業種や目的によっては、InstagramやLINE公式を中心にした方が効果的なケースもあります。
小さく始める段階なら、クラウド型のサービスで十分な場合もあります。
まずはスピード重視で形にすることが大切な場面もあります。
でも、それをすべての事業に当てはめて、
「ホームページなんていらない」
「SNSだけで十分」
と言い切ってしまうのは、少し乱暴だと思います。
SNSは流れていくメディアです。
投稿は見られるタイミングに左右されます。
過去の情報を整理して見せるのは、あまり得意ではありません。
一方でホームページは、情報を整理して置いておける場所です。
- 会社やお店の考え方。
- サービス内容。
- 料金。
- 実績。
- よくある質問。
- 問い合わせ先。
- 信頼につながる情報。
そういったものを、必要な人が必要なタイミングで確認できる場所になります。
SNSが「知ってもらう場所」だとしたら、
ホームページは「信頼してもらう場所」になれると思っています。
どちらか一方ではなく、役割が違う。
だからこそ、目的に合わせて使い分けることが大切です。
AI時代に大事なのは、作業量より判断力
AIによって、制作のスピードは確実に上がっています。
- 文章も作れる。
- 画像も作れる。
- コードも書ける。
- レイアウト案も出せる。
これ自体は、本当にすごいことです。
ただ、AIが出してくれたものを
「これで完成」
とするのか、
「ここからどう整えるか」
と考えるのかで、仕上がりは大きく変わります。
これからの制作者に必要なのは、単に手を動かす力だけではないと思います。
- AIの出力を見極める力。
- クライアントの目的を整理する力。
- 見た目だけでなく、使いやすさや伝わり方まで考える力。
- 公開後の運用まで想像する力。
- 必要であれば、ツールのメリットと限界をきちんと説明する力。
そういう部分こそ、人間側の仕事として大事になっていくはずです。
AIは、手を抜くためではなく、より良く作るために使いたい
AIは便利です。
本当に便利です。
僕もかなり助けてもらっています。
でも、AIは「考えなくていい理由」ではないと思っています。
むしろ、AIを使うことで作業時間を短縮できるなら、
その分、もっと考えるべきところに時間を使えるはずです。
- 誰に届けるのか。
- 何を伝えるのか。
- どんな行動につなげたいのか。
- 公開後にどう育てていくのか。
- クライアントがあとで困らないか。
そこを考えずに、
「AIで簡単に作れます」
だけで売ってしまうのは、少し違う気がしています。
AIは、手を抜くための道具ではなく、
より良く作るための相棒であってほしい。
そしてホームページ制作も、
「それっぽいものを作って終わり」ではなく、
クライアントの事業にちゃんと役立つものとして考えていきたい。
AIでホームページは作れる時代になりました。
だからこそ、作る側の責任がこれまで以上に問われているのだと思います。
