音楽生成AIを試して感じた、AI時代のクリエイターに必要な視点
コラム | 2026.06.15
最近、音楽生成AIを試しています。
普段、作業中はYouTubeやAmazon Musicなどで音楽を流しているのですが、同じような楽曲やプレイリストの繰り返しに少しマンネリを感じるようになりました。
そこで、試しに音楽生成AIを使ってみたところ、想像以上に自然な楽曲が生成されました。
正直なところ、普通に聴けます。
僕は音楽を聴くことは好きですが、音楽理論に詳しいわけではありません。
コード進行やメロディー構成など、専門的な部分を正確に判断できるわけではありません。
そのような一般的なリスナー目線で聴くと、生成AIによる音楽でも十分楽しめると感じました。
何も知らずに聴いていれば、AIが作った楽曲だとは気づかないかもしれません。
「最近出てきたアーティストの曲です」と言われても、特に疑わずに聴いてしまうと思います。
もちろん、音楽に詳しい方や実際に制作している方から見れば、AIらしさや違和感があるのかもしれません。
メロディーの展開、コード進行、音の作り方、表現の細部など、専門家だからこそ気づく部分はあると思います。
ただ、一般のユーザーが同じ温度感でそれを受け取るとは限りません。
ここで感じたのは、これは音楽だけの話ではないということです。
Web制作やデザイン、文章制作、画像制作などの分野でも、生成AIに対する賛否は多くあります。
クリエイター側から見れば、
「AIで作ったものに価値はあるのか」
「人間の仕事が奪われるのではないか」
「人が作る意味はどこにあるのか」
といった議論が出るのは自然なことです。
一方で、受け取る側の一般ユーザーは、必ずしも制作過程そのものに強い関心を持っているわけではありません。
大切なのは、
- 「伝わるか」
- 「使いやすいか」
- 「目的に合っているか」
- 「見る人・使う人にとって価値があるか」
という部分なのだと思います。これは、制作会社として非常に重要な視点です。
私たちの仕事は、自分の作品を見せるためだけのものではありません。
Webサイトやデザイン制作の多くは、クライアントの課題を解決するためにあります。
クライアントに満足していただくこと。
そして、その先にいるお客様やユーザーに、必要な情報や価値をきちんと届けること。
そこが本質です。
その意味では、AIを使うこと自体を過度に否定する必要はないと考えています。
AIは、正しく使えば制作や運用の効率を高める強力な道具になります。
アイデア出し、文章の整理、画像の方向性確認、コーディング支援、情報の構造化など、さまざまな場面で活用できます。
しかし、ここで誤解してはいけないことがあります。
AIを使えば、誰でも簡単に、安く、質の高いものが作れるわけではありません。
むしろ、AIを安易に使うことは、クライアントにとって大きなリスクになる場合があります。
- 目的を理解せずにAIの出力をそのまま使う。
- デザインや文章の意図を考えずに形だけ整える。
- Webサイトの構造やSEO、ユーザー導線、ブランドイメージを考慮しない。
そのような使い方では、表面的には整って見えても、本当に成果につながる制作物にはなりません。
場合によっては、クライアントの価値を正しく伝えられず、逆に機会損失を生む可能性もあります。
AIを使う側には、これまで以上に学ぶ姿勢が求められると思います。
- AIに任せるのではなく、AIをどう使うか。
- 出力されたものをどう判断するか。
- どこを修正し、どこを活かし、どこに人間の判断を入れるのか。
そこを考えられる知識と経験が必要です。
Web制作であれば、デザイン、文章、導線設計、SEO、表示速度、アクセシビリティ、保守性、運用のしやすさなどを踏まえて判断する必要があります。
AIを使うからこそ、基礎知識や実務経験の重要性はむしろ高まっていると感じます。
クリエイターとして、自分の作ったものに誇りやこだわりを持つことは大切です。
ただし、そのこだわりが本当にクライアントのためになっているのか。
それとも、自分のプライドを守るためだけのものになっていないか。
そこは常に考えなければいけません。
AIを使うことを否定するのではなく、AIに振り回されるのでもなく、クライアントの目的達成のためにどう活用するか。その視点が、これからの制作会社やクリエイターには必要になるのだと思います。
LAPLABでは、AIを単なる時短ツールとしてではなく、制作や運用の質を高めるための補助ツールとして活用していきたいと考えています。
大切なのは、AIを使うことそのものではありません。
誰のために作るのか?
何を伝えるために作るのか?
その制作物が、クライアントやユーザーにとって本当に価値のあるものになっているのか?
AIが当たり前に使われる時代だからこそ、制作する側の知識、判断力、責任感がより問われるようになると感じています。
便利な道具が増えた今だからこそ、私たち自身も学び続けながら、クライアントにとって本当に意味のある制作を行っていきたいと思います。
